自然と歴史が織り成すロマンを辿る②~いざ雲仙への道を下見~
堀口治香
明治から昭和にかけて、夏の雲仙には多くの外国人が滞在していました。暑さと喧騒から逃れ、豊かな自然を堪能していたそうです。そんな外国人たちが辿った、雲仙への道のりを追うツアーが作られようとしています!
↓前回の記事はこちら!
出発は長崎港
ツアーの下見の日がやってきました。
さわやかな青空と海が広がる港。
↓出発の地は、長崎市にある長崎港&出島ワーフです。
↓続々と集まる関係者のみなさん。バークガフニ先生をはじめ、全国通訳案内士、ライター、ネイチャーガイドなど、このツアーにご協力いただく方々が集結。雲仙を目指します!
出島ワーフに看板があり、大正時代に開通した上海-長崎の航路について書かれていました。
当時雲仙を訪れた欧米人の中には職場が上海の人も多かったとか。
↓この船に乗って日本までやってきたはずです。
茂木街道へ
長崎港を出て、一行は茂木街道を通っていきます。
↓赤線の部分が茂木街道
長崎から茂木までは、途中峠などもあって江戸時代は通るのが大変だったそうです。
しかし、明治時代に切り通しができたおかげで人力車も通れるほど快適な道になり、茂木街道として賑わいました。
↓茂木街道を通ると左に見える山が愛宕山(あたごやま)。
明治時代、山頂付近まで段々畑として耕されている写真が残っています。それでも山の輪郭は昔と変わりません。
↓茂木街道の途中の竹林は、当時の面影をのこしています。
バークガフニ先生の著書「長崎から雲仙への道」に掲載されている写真と照らし合わせながら進み、茂木港が近くなってきました!
茂木港付近に到着し、老舗の和菓子屋さんとパン屋さんを訪ねようと思ったら…
↓なんとどちらもお休み!
↓ショックを隠せない一行…しかし、近くに天ぷら屋さんを発見!
教えてくださったのは、地元茂木でライターをしている前田のりこさん。ツアー下見のことを聞き、茂木で待っていてくださいました。
茂木ではもちろん、県外からもお客さんが訪れるという知られざる人気店だそうです。
アマダイの天ぷら、甘めのたれが絡まった唐揚げなどなど…よだれが出そうなラインナップです。
新鮮なお魚の天ぷらが味わえるのも長崎ならではの魅力ですね。
茂木港から見えるのは…
↓おやつ(天ぷら)を手に入れた一行は茂木港に到着。
おお、…海の向こうの山影は…もしかして…?
↓そう、雲仙岳です!
茂木港にある潮見崎十一面観音の高台からよく見えます。
晴れた日はもっと鮮明に見えるそうです。
雲仙岳がくっきりと見えることを港の人は「しまよせ」と呼んで、2日後には雨が降る天気の前触れなのだとか。
実際に茂木港から見てみると、雲仙・島原半島が「しま」に見えるのも納得です。
100年前の外国人もここで海に浮かぶ雲仙岳を見て、極上と聞く避暑地に思いを馳せていたかもしれません。
いつも何となく眺めている景色も、歴史やそこで何が起きていたのかを知ると変わって見えてきます。
美味しい天ぷらを食べて一息ついた一行は、茂木から雲仙を目指します。道中どんな景色が見られるのでしょうか。
また後ほどご報告します!お楽しみに!