大学生が雲仙温泉の修学旅行をつくる⁉
岩下 凜
コロナで修学旅行が中止になる学校が全国で相次ぐ中、屋外を中心とした修学旅行の需要は高まっています。私たちNPO法人Slopeersは雲仙市様からの委託を受け、雲仙の魅力を最大限に生かした修学旅行のプログラムを計画しています。
※この情報は2021年2月5日現在の情報です。
学生団体Slopeersって?
Slopeersとは、長崎大学経済学部の学生が中心となって運営しているNPO法人です。
「みんなに愛される長崎県」を実現するために日々活動しています。主な事業内容は「共修による教育旅行企画開発・運営」、「地域振興事業」です。長崎市ですでに商品化している“坂の街修学旅行”では毎年多数の学校様から受注を頂いており、学生ならではのおもてなしや学習機会の提供により高い満足度を誇っています。また、長崎市新大工商店街の活性化を目的とした宅配サービスを立ち上げたり、今回雲仙市様と共同で修学旅行プログラムを企画したりと、新たなチャレンジを続けています。
活動内容
私たちは2020年の7月ごろから雲仙市様から依頼をいただき、約半年間修学旅行の内容を考えてきました。実際どうやって修学旅行をつくるの?と疑問に思う人のために、私たちの活動内容を紹介します。
1 雲仙を知る
私たちSlopeersのメンバーは長崎大学の学生といってもメンバーのほとんどが県外出身者で、雲仙について何も知らない状態からのスタートでした。修学旅行のプランニングには、まず雲仙について知ることが第一ということで、実際に雲仙に行って散策をしたり、たくさんの方々にご協力頂きながらヒアリングを行ったり、インターネットで情報を集めたりして雲仙温泉街についての理解を深めました。
2 地元住民の方々からのヒアリング
雲仙を盛り上げようと多くの住民の方が活動しています。私たちは雲仙温泉観光協会の森さん、お山の情報館の大町さん、環境省の方々、遠江屋の加藤さん、ゲストハウスTSUDOIの市来さん、他にも雲仙で生活している多くの方にヒアリングをさせて頂きました。皆さんの雲仙への熱い思いやその人ならではの雲仙へのかかわり方を知ることができ、修学旅行のプランをつくる中でとても参考になりました。
3 修学旅行をつくる
ヒアリングで集めた情報をもとに実際に修学旅行の中身を考えていきました。ポイントとなるのは修学旅行のテーマ。何度も話し合った結果探求×地域×SDGsの3つのポイントを軸に進めていくことにしました。
「探求」
雲仙人マップを作ったり、修学旅行生自身が地域を自分ゴトとして考え発表する機会を設けたりとアウトプット活動を修学旅行の中で意識的に取り入れています。
「地域」
ヒアリングの中で、地域を存続させるためには地域に対する思いと行動が必要なんだと気づきました。地域格差が問題視される中、自分の地域に関心を持ち地域課題を考える経験をしてほしい。そんな思いから、雲仙で活動している住民の方と修学旅行生が交流する時間を修学旅行内に設けています。
「SDGs」
雲仙では持続可能な社会を実現する取り組みがなされています。例えば「国立公園」。雲仙は日本で初めて国立公園に認定された場所で、自然と人々の暮らしが共存しています。そんな雲仙温泉には、SDGsを達成するためのヒントがたくさん隠されています。SDGsの内容をできるだけかみ砕いて、身近に感じてもらえるように修学旅行の中に取り入れています。
おわりに
現在は、修学旅行の内容の総まとめの段階です。2月中には具体案を完成させ、2021年に実際にモニター検証をする予定なので、メンバー全員でこれからも頑張っていきます。