そぞろ歩きプログラム
中村 星斗
ONSEN・ガストロノミーウォーキング
島原半島がつながり、雲仙の豊かさを伝えるイベント
「ガストロノミー」とはフランス語で「グルメな人たち」という意味があります。日本の魅力ある温泉地を拠点に、その土地特有の食・自然・文化と歴史を、歩きながら体験するのが「ONSEN・ガストロノミーウォーキング」です。
雲仙には、共同浴場「延暦湯」が1653年に開湯してから、360年を超える温泉の歴史があります。
島原半島の大地が育んだ野菜、肉などを味わい、大自然を感じるウォーキングのあとは温泉入浴を。
まさに「めぐる」「たべる」「つかる」を楽しむことができるイベントが2020年11月14日に開催されました。
ANA総合研究所との取り組み。
日本でもここ数年、さまざまな地域で積極的に開催されている「ガストロノミーツーリズム」。
雲仙温泉でも開催できないかと声をかけてくださったのが「一社)ONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構」です。
地域の活性化により、その魅力が高まれば、都市圏や海外、各地域との流動を増すことができると、株式会社ANA総合研究所が、この活動の事務局を受託しているものです。
約3年の準備期間を経て、ようやく開催できたこのイベントは、告知から人集め、受付事業までANAグループが協力。
非常にスムーズに開催できたのは、この協力のおかげと雲仙温泉観光協会事務局長は話します。
じっくり雲仙を満喫してもらえるコース。
コースづくりは、ゲストハウスTSUDOIの市来さんをはじめ地元の皆さんで考えられてきました。
コースは全8キロと決まっており、どのポイントで食事を用意するべきか協議が何度も行われました。
ウォーキングの最後は、美しい白雲の池でメインディッシュを味わって欲しいという市来さんの強い願いもあり、スタートとゴールは雲仙メモリアルホールにし、おしどりの池をぐるりと一周。
雲仙温泉街から雲仙地獄、そして最後は白雲の池というコースになりました。
コースの途中6カ所で味わう地元の食事は、手作りチーズがおいしい「パインテールファーム」さんのチーズとヨーグルト、雲仙ブロッコリーを使ったスープ、焼きたての雲仙牛、島原そうめん、そして「白雲の池」では、雲仙クリーンポークとオーガニック野菜、アルコール類も提供することになったのです。
青空広がる秋晴れの日に開催されたこのイベント。参加して実感したのは、1人3,000円とは思えない充実した内容だったことです。
参加者の皆さんも同じように、金額以上の体験ができたと口を揃えて話していました。
ゴール地点では、千々石の老舗和菓子店「沖田製菓舗」のしっとりとしたどら焼きと手作りチョコ、さらに「くちのつ巷珈琲焙煎所」の香り高いコーヒーも用意され、この上ない口福に恵まれました。
まさに、島原半島がつながり、雲仙の豊かさを伝えることができたイベントでした。今後も年に1回、秋に開催される予定です。
最終ポイント「白雲の池」のブースに「おてつたび」のサイトを見て来られたスタッフの方がいらっしゃいました。
お客様に出す食事の給仕をテキパキとこなす一人の男性。よく聞けば、首都圏から週末だけ各方面のおてつだいをしているのだそう。
地域の方とのコミュニケーションを楽しみたいと、はじめて雲仙へ。
これは、雲仙市が、イベントのお手伝いができる人がいれば…とサイトへ募ったもの。
お手伝いのあとに温泉に入ることができる特典もあり、この方も興味を持ったそう。
この「おてつたび」、お手伝いをしながら知らない地域を旅し、気づいたら自分にとって”特別な地域”になっている、そんな事業になっています。
皆さま、雲仙は今まさに人手不足。雲仙のお手伝い、お待ちしています!